古い(レガシー)システムを利用し続けるリスクとは?
対策についてもご紹介

  • 2025.04.25
  • #2025年の崖#コスト削減#セキュリティ#マイグレーション#レガシーシステム
  • 経済産業省のDXレポートでは、「2025年の崖」として、このままレガシーシステムを放置すると、 2025年以降に最大年12兆円の経済損失につながると言われています。 レガシーシステムを使い続けることで、さまざまなデメリット(リスク)を被ることになります。 なかでも、最も大きなデメリットといえるのが、DXが進まないことです。 ここでは具体的なリスクと、対策について説明いたします。

レガシーシステムを使い続ける5つのリスク

  1. セキュリティリスクが高まる
    古い技術やプログラミング言語、プラットフォームが利用されているため、最新のセキュリティ基準に準拠していない可能性があります。また、セキュリティパッチが提供されていないことが多く、既知の脆弱性が悪用されるリスクが高まります。
  2. システム障害が増加する
    老朽化や処理能力の低下などにより、システム障害のリスクが高まります。障害が発生すると業務の中断やデータ損失、サービス停止などの悪影響が及ぶ可能性があります。
  3. 運用・保守コストが高騰する
    年々古くなるシステムは不具合が発生しやすくなり、メンテナンスや修理の費用が増えます。また、システムを製造したメーカーのサポートが終了してしまうことも多く、延長サポートを受けるための費用がかかります。
  4. 企業競争力が低下する
    最新データや最新サービスとの連携が難しく、市場ニーズの変化に迅速に対応できなくなります。 その結果、最新ニーズや最新サービスを顧客に提供できず、顧客満足度が低下したり、新規顧客が獲得しづらくなったりします。デジタル競争に遅れを取ることになってしまいます。
  5. 顧客や取引先への損害が広がる
    システム障害による業務停止で自社事業や顧客に影響が出るだけでなく、セキュリティ事故発生時には、取引先や顧客からの信頼を大きく損なう可能性があります。

どう対策するか?

レガシーシステムの対策は大きく2つ方法があります。

1つ目のモダナイゼーションはシステムを刷新・改善することを目的とするのに対し、2つ目のマイグレーションはシステムやデータを最新の環境に移行することを目的とします。

  • モダナイゼーション
    既存のシステムやデータ資産を活用しながら、最新の技術やビジネス環境に適応させる
    生産性向上やセキュリティ強化、属人性の解消などの効果が期待できる
    DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するステップのひとつ
  • メリットデメリット
    効率的なシステム運用が可能既存のレガシーシステムと統合が難しい場合がある
    技術の最新トレンドに対応可能大規模な改修には時間とコストがかかる
    セキュリティ強化(最新の脅威に対応)従業員のトレーニングが必要になることがある
    メンテナンスコストの削減変更による運用リスクがある
    競争力の向上(新技術によるイノベーションが可能)新技術の導入には専門知識が必要
  • マイグレーション
    既存のシステム構造や要件を変えずに、システムやデータを別の環境へ移行する。
    オンプレミスからクラウドへの移行などが典型例システム自体の変更は少ない場合があります。
  • メリットデメリット
    最新の環境を活用できる移行プロセスが複雑で時間がかかる
    コスト削減(オンプレミスからクラウドへの移行など)システム停止時間が発生する可能性
    パフォーマンス向上互換性の問題が発生することがある
    セキュリティの向上(最新のセキュリティ対策を適用可能)移行後の新環境に慣れる必要がある
    スケーラビリティの向上移行に伴う初期費用が発生する

    まとめ

    このように、モダナイゼーションは「システムの最新化」、マイグレーションは「環境の移行」と、それぞれの目的が異なりますが、どちらも企業の成長にとって重要な取り組みです。より適切な選択をするためには、現状のシステムや事業戦略と照らし合わせることが大切ですね。
    どちらかの詳しいアプローチについて知りたいことがあれば、お気軽に聞いてください!