「まだ動いているから」は禁句。更新期限切れIT資産が招く“静かなる時限爆弾”

  • 2026.09.14
  • #セキュリティ#ネットワーク#業務効率化
  • 「まだ動いているから大丈夫」
    「更新手続きが面倒…」
    日々の業務に追われる中で、更新期限が過ぎた機器やソフトウェアライセンスの管理がおろそかになっていませんか?

    一見些細なことのように思えるかもしれませんが、期限切れの機器やライセンスの放置は、貴社に深刻なリスクをもたらす可能性を秘めています。

    本コラムでは、更新期限を過ぎた機器やライセンスの放置がもたらすリスクについて分かりやすくご紹介します。

更新放置が引き起こす4つのリスク

更新が必要な対象は、ハードウェア・ソフトウェア・クラウドサービスなど多岐にわたります。更新を怠った機器を使用するとどのようなリスクがあるのでしょうか。

[1つ目] セキュリティリスクの増大:情報漏洩の危険性

ソフトウェアのアップデートは、セキュリティ上の脆弱性を修正するために不可欠です。更新期限切れのソフトウェアは、最新のセキュリティパッチが適用されないため、ハッカーの標的になりやすく、マルウェア感染や不正アクセスによる情報漏洩のリスクが格段に高まります

顧客情報や機密情報が漏えいした場合、企業の信用失墜は避けられず、損害賠償請求に発展する可能性もあります。

[2つ目] 業務停止のリスク:業務停止命令の可能性

特定の業界では、使用するソフトウェアや機器のバージョンに関する法令や規制が存在します。

また、取引先のシステムへのアクセスや銀行との取引に必要なシステムにおいて、最新バージョンでのアクセスが義務化されているケースも増えてきています。

更新期限切れのソフトウェアや機器を使用することは、これらの法令や規制に違反する可能性があり、罰金や業務停止命令などの厳しい処分が科せられることもあります。

[3つ目] 業務効率の低下:システムダウンや動作不良の頻発

更新期限切れの機器やソフトウェアは、サポートが終了している場合が多く、不具合が発生してもメーカーからのサポートを受けられません。

その結果、システムダウンや動作不良が頻発し、業務が滞るだけでなく、復旧作業に多大な時間とコストがかかる可能性があります

[4つ目] 最新技術へのアクセス喪失:競争力低下の原因

ソフトウェアは常に進化しており、新しい機能や改善が日々追加されています。更新期限切れのソフトウェアを使用し続けることは、最新技術へのアクセスを喪失し、競合他社に遅れを取る要因となります。

更新切れで実際に起こり得るトラブル例

更新期限切れの機器やライセンスを放置すると、企業活動に深刻な影響を及ぼすトラブルが発生する可能性があります。ここでは、実際に多くの企業で起こり得る代表的なケースを紹介します。

ケース1:朝イチの会議、資料が開かない編

火曜の朝。営業部では、週次ミーティングのために社員が会議室へ集まっています。

進行役が共有フォルダから資料を開こうとした瞬間、画面にエラーが表示されました。

「え、開けない…?」
「私もです。ネットワークが重いのかな…?」

数人が同じ症状を訴え、会議室がざわつき始めます。

IT担当者が急いで確認すると、ネットワーク機器のファームウェア更新が数年間更新されておらず、負荷がかかったタイミングで不具合が発生していたことが判明。

昨日まで普通に使えていたのに、突然使えなくなる。

そんな“日常のひずみ”が、更新放置のサインです。

ケース2:月末処理日に会計ソフトが動かない編

木曜の午後。経理部はいつも以上に慌ただしく、締め作業に追われています。
そんな中、会計ソフトが突然起動しなくなりました。

「え、なんで今日に限って…」
「再起動してもダメです。どうしましょう…」

IT担当者が調査すると、ソフトのバージョンが古く、前日に自動適用されたWindows更新に対応していなかったことが原因でした。
急いでアップデートを試みるも、データ移行に時間がかかり、締め作業は大幅に遅延。

経理部長は「このタイミングで止まるなんて…」とため息をつきます。
“忙しい時ほどトラブルは起きる”
その裏には、更新放置という見えないリスクが潜んでいます。

ケース3:サービス更新切れでメールが止まる編

月曜の朝、総務部の電話が鳴り止みません。

「メールが送れません。」
「受信もできないんですけど…」
「急ぎの連絡があるのに困ります!」

社内全体でメールが使えない状況に。

調査すると、クラウドサービスの契約更新が週末で切れていたことが原因でした。
復旧までの数時間、社内外の連絡が滞り、顧客対応にも影響が出てしまいました。

総務担当者が「更新通知は来てたけど、誰が対応するか曖昧なままになっていた…」と肩を落とします。
“誰かがやるだろう”のすき間に、更新忘れは潜んでいます。

リスクを未然に防ぐために

更新放置によるトラブルは、特別な企業にだけ起きるものではありません。どの会社でも、日常の忙しさの中で「後回し」にしてしまいがちな領域です。

これらのリスクを回避するために、今すぐ以下の対策を実施しましょう。

機器・ライセンス台帳の作成と定期的な見直し

所有している機器やソフトウェア、ライセンス情報を一元管理できる台帳を作成しましょう。
※一元管理できる台帳については次章で詳しく紹介します

更新期限の把握

台帳を元に更新期限を把握しましょう。

更新予算の確保

更新費用を事前に予算に組み込み、計画的に更新作業を進めましょう。

IT資産管理ツールの導入

多くの機器やライセンスを管理する場合は、IT資産管理ツールの導入を検討しましょう。

従業員への啓発

更新期限切れのリスクを従業員に周知し、意識向上を図りましょう。

機器管理台帳の作成方法

更新が必要な機器の一覧表を整備することで、紛失防止・セキュリティ強化・コスト最適化など、企業運営に直結するメリットが生まれます。

管理台帳に入れておきたい主な項目

実務で必要な情報を網羅するため、次のような項目を押さえておくと管理が安定します。

1.基本情報管理番号
機器名
メーカー
型番
シリアルナンバー
2.導入・購入に関する情報導入日
取得価格
保証期間
3.利用状況に関する情報利用者名
部署
設置場所
4.保守・点検・修理に関する情報保守・点検履歴
修理履歴
5.ソフトウェア・セキュリティ関連情報ソフトウェア情報
OSバージョン
6.ライフサイクル管理に関する情報廃棄予定日
更新条件

これらの項目を記録しておくことで、機器の状態や利用状況を正確に把握でき、更新計画や予算策定などにも役立ちます。

機器管理一覧表は、情報を細かく記録しようと思えばいくらでも項目を増やせます。

しかし、項目が多すぎると日々の更新が負担になり、結果として管理がおざなりになるケースも少なくありません。

大切なのは「完璧な一覧表」を作ることではなく、実際に運用できる一覧表を作ることです。

最後に:更新管理は企業防衛の第一歩

更新期限を過ぎた機器やライセンスの放置は、「コスト削減」ではなく「リスクの先送り」に過ぎません。そのツケは、必ず利子をつけて返ってきます。

まずは社内のIT資産の棚卸しを行い、「何がいつ切れるのか」を可視化することから始めましょう。計画的なライフサイクル管理こそが、最もコストパフォーマンスの高い事業継続対策なのです。

当社の「まるっとITサポート」はお客様に寄り添い、IT資産の継続のお助けをいたします。

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